ホラーに打ち勝つ呪文

2013年の日記を再掲載


ホラー耐性がない。
先日楽しみにしていた「世にも奇妙な物語」を観た。
テレビっ子の後輩と「11日だね!」「今夜だね!」
などと見逃し防止の掛け声をかけあっていたおかげで、番組の始まる21時にはテレビの前に座ることができた。
私はホラーがとにかく苦手で、ミラジョボヴィッチは好きだけどゾンビが見られないからバイオハザード映画に手を出せない。
昔、実際にバイオハザードのゲームをプレイしてみたことがあるが、最初のドアを開ける段階ですでに怖気づいてしまい、ゾンビに遭遇することもなく、銃弾を飛ばすこともなく、ただ上を押したら進行方向の前に進むゲームだということだけを理解して静かに電源を切ったことがある。
しかし「世にも奇妙な物語」はホラーもあればシュールギャグもあったり。1ストーリーあたりの時間もちょうどいいし、展開を予想しながら見るのが楽しいので小さな頃からよく見ていた。
よく見ていたので、最初の一話はだいたい旬の若い俳優を使ったショッキングなホラーがきそうだとわかっていたのに。今思えば二話目から見ればよかった。
一話目は佐々木希の呪いのwebサイトの話。
思い出したくもないが、すごーく心臓に悪い画面を見てしまった。
見たというか視線をテレビ横のバニプッチぬいぐるみに移していたので白目でなんとなく見た程度なのだが、それ以来お風呂のシャンプーがすごく怖い。
目を開けた途端になにか顔が出てきそうで怖い。
困ったことにヒャイン!という弦楽器のそれっぽいSEも脳内再生されるので余計に怖い。
昔から、こういうどうしようもなく怖くなってしまったときは頭の中で
「志村けん志村けん…」と唱えるようにしている。
この5文字の繰り返しは幾度となく私を恐怖から救ってくれた。
しかし、先日志村けんを誤って冷蔵庫に閉じ込めてしまいお面にしてしまう夢を見た。
文字にするとさっぱり意味がわからない夢だが、国民的スターをお面にしてしまった罪悪感は凄まじいもので、非常に後味の悪い不気味な夢だった。
あの夢を見てから志村けんの呪文を唱えると、罪悪感までセットでよみがえってくるので恐怖からの復活が成功しにくくなっている。
新しい呪文を仕入れようと考え、誰か思い出すだけでおかしくなってしまうような芸人を見つけようとここ数日芸人に注意してテレビを見ていた。
ハッと目に留まったのが、ダメージデニムの服を着て「右ひじ左ひじ交互に見て」という人。すごく久しぶりに見たなと思ったと同時に、この人すごく好きだったなとテレビの前で笑ってしまった。失礼だけれどまだテレビの仕事貰えてるんだな、と暖かい気持ちにもなった。
そして栄えある呪文選抜は彼に決定したのである。
好きだったわりには肝心の名前が出てこず(2500とかそんな名前だったような)、呪文の効果がどのくらいのものになるか疑問が残るものの、ひじを突き出すあの動きを頭の中で思い描けばシャンプータイムも難なく乗り越えられるだろう。
ありがとう、ひじの人。これからもよろしく、ひじの人。
番組の最後に「再放送」のテロップが流れた。1年前の放送分だったらしい。
恐ろしいのは芸能界だなと思った。

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